特選商品:赤松麟作肉筆 漱石「草枕」絵巻

明治期日本洋画を代表する作品「夜汽車」で知られる赤松麟作が、晩年に制作した夏目漱石の小説を題材にした4つの絵巻のうちの一つ。

赤松は戦中自身の洋画研究所を閉鎖し、アトリエも消失するなど苦難の日々が続いていたが、戦後になり画家活動を再開。昭和24年に自伝絵巻「やっとこどっこい」、漱石「吾輩は猫である」「虞美人草」「草枕」「坊っちゃん」を制作した。

12メートルを超える長尺の巻物に、軽妙な雰囲気の本文テキストと、有名なミレーのオフィーリアへの言及をはじめとする「草枕」の各場面を淡い水彩で描写。灑落な本文テキストと相まって、西洋画を血肉としてきた赤松が70歳を超え、画家として自由な境地で取り組んだ文人画であると評価されている。

巻物末尾に「昭和廿四年 赤松麟作画」の署名・印、「麟作画」の箱書きあり。

東京藝術大学大学美術館「赤松麟作とその周辺」展(平成15年)出展品。
(下記参考「『赤松麟作とその周辺』展図録」より)

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