英国王太子プリンス・オブ・ウェールズ来日写真

 英国王太子プリンス・オブ・ウェールズ(後のエドワード8世)は大正11年4月に来日。インド駐箚武官・参謀本部欧米課英国班長を務めた陸軍軍人で、王太子の接伴員を務めた角田政之助の旧蔵品。

 来日時の紙焼き写真は、船上での記念写真から歓迎のために東京駅前に建造されたロンドン橋、新宿御苑での観桜会、浜離宮での鴨狩り、王太子在京中に発生した帝国ホテルの火事、裕仁皇太子とのゴルフ、保津川下り、奈良行脚、厳島観光、そして鹿児島の港から日本を離れるまでの、王太子来日時の行程を撮影した135枚。王太子来日時の写真記録『答礼使御来朝記念写真帖 中・下』(大阪毎日新聞社)掲載の写真に非常に近い構図のものが多いため、『写真帖』と同一人物の撮影によるものか。ただし『写真帖』に掲載されていないカットも多く、貴重な写真であると思われる。

 その他、王太子来日時の英文日程表『The Visit of His Royal Highness The Prince of Wales』、『英国皇太子殿下東京市奉迎会余興 観劇の栞』、角田のインド駐在時のものと思われるネガフィルム60枚、角田宛の書簡6通、会話文例を記した手帳、ジョージ6世及びエリザベス女王戴冠式パンフレット『Coronation of Their Majesties King George VI and Queen Elizabeth』ほか。